妊娠に危険を及ぼす病気がいくつかありますが、医師が適切な診察と治療をすることで、それを予防することができます。バムルンラード病院婦人科では、専門スタッフが妊婦さんと赤ちゃんに対する最善のケアを行い、快適で安全な妊娠と、健康な赤ちゃんの誕生を、サポートしています。
今回のブログでお話しするのは、読者の皆さまやその知り合いの方々の人生に影響を及ぼしうる病気、妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症についてです。 妊婦さんの場合、血圧が 140/90以上の状態を妊娠高血圧症と診断します。最高血圧または最低血圧のどちらかがこの基準を超えた場合です。このような血圧の上昇は、妊娠に深刻な影響を及ぼします。
妊娠高血圧腎症も同様に、高血圧を発症しますが、さらにタンパク尿もともない、足の浮腫(むくみ)などの兆候が見られます。重症化すると、浮腫が脚全体にまで進行し、手にも影響を与える可能性があります。
妊娠高血圧症や妊娠高血圧腎症が発症するのはいつ?
妊娠20週目以降に高血圧を初めて発症した場合を妊娠高血圧症または妊娠高血圧腎症と診断します。これらは妊娠に悪影響のあるハイリスクな病気です。しかし、診断にあたって、その高血圧が白衣症候群による一過性のものでないことを確認する必要があります。
妊娠高血圧腎症は通常、妊娠後期に発症し、妊娠30週から32週の間に血圧が上昇する症状があらわれます。ただし、妊娠20週から発症する場合もありますし、出産後に発症することもまれにあります。85%のケースは、妊娠34週目以降に妊娠高血圧腎症と診断されています。残りの10%は出産前に、5%は出産後48時間で診断されています。
妊娠高血圧腎症の原因は?
妊娠高血圧腎症の起こる原因は、医療研究者のあいだでもまだ正確に解明されていません。ただし、色々な問題が関係していることは分かっています。妊娠中の胎児を宿す胎盤が、病気に深く関与していると考えられています。胎盤の形成初期に血管が正常に機能しないと、ホルモンに対して異なる反応を起こすため血管が収縮してしまい、その結果、胎盤血流量が制限されます。 ホルモンはさらに母体の循環血流にも影響を及ぼします。
妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症の早期発見のためには、妊娠中および出産後の検診時に、一貫した血圧管理を行うことが重要です。バムルンラード病院では、領域を超えた総合的な医療チームが、適切かつ迅速に血圧の測定および管理を行っています。
妊娠前の女性の危険因子は?
赤ちゃんを考えている方は、当院婦人科の産科医/婦人科医までご相談なさることを推奨します。経験豊かな専門医が、妊娠リスクの診断を行い、安全で健康な妊娠のためのアドバイスをいたします。
次のような方は、妊娠高血圧症や妊娠高血圧腎症になりやすいと考えられています。
- ループスなどの免疫系障害の既往
- 腎臓の病気を持っている
- 糖尿病
- 以前に妊娠高血圧症になったことがある
- 双子または三つ子の出産
- 20歳未満または40歳以上の初産婦(初めてのお産)
妊娠期間の血圧観察がどうして大切なのか
妊娠中の高血圧は珍しいことではありません。米国では、20歳から44歳の妊婦さんの、12〜17人に1人が高血圧を発症しています。そして良い点は、高血圧は管理と治療が可能な病気であることです。
高血圧が見られたら、妊娠高血圧症や妊娠高血圧腎症妊娠中の発症を警告するサインなので、専門医による妊娠期間の血圧管理とケアをより慎重に行うことにより、母親と赤ちゃんの健康状態を改善する必要があります。
当院では、妊婦さんと赤ちゃんの健康管理を、健康的な生活習慣にもとづく適切な血圧管理と、専門医が医療上のアドバイスを行うことによって実践しています。高血圧が重症化すると、母親と赤ちゃんの両方に重篤な合併症を引き起こす危険があるので、それを警告するサインを見逃さないように慎重に観察を続けること、またその警告サインに関する十分な知識を持っていることが、非常に大切です。
妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症の治療法は?
現在のところ、妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症を「根本的」に治す方法は知られていません。妊婦さんの症状に応じて、医師が具体的な指示をします。しかし、すべての方に共通して行う生活指導は、十分な水分補給、ストレス解消、バランスの取れた食事、運動(絶対安静時を除き、制限範囲内で)などです。
また、お薬を処方する場合もあります。しかし、最も大切なことは、母親と赤ちゃんが健康で順調であることを確認し、なにか異常が起きたときに早期発見できるよう、定期的にフォローアップを行うことです。
妊娠中は、合併症に十分注意をしてください
妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症は、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。なんらかの症状が見られたら、バムルンラード病院の専門医までいつでもご相談ください。専門医と協力して合併症のリスクを最小限に抑えることが非常に大切です。
お腹の赤ちゃんの動きを毎日よく観察してください。また、 次の症状が生じた場合は、専門医まで連絡してください。
- 極度または異常な頭痛
- めまいや視覚変化
- 真ん中から右側のみぞおちに異常に強い痛み
起こり得る合併症には、次のようなものがあります。
- けいれん発作
- 胎児発育不全または低出生体重児
- 常位胎盤早期剥離
- 妊娠37週以前の早産
これらの兆候または症状が発生した場合、当院の救急センター1378に電話して、病院への救急搬送を依頼してください。救急センターの専門スタッフが適切な処置を行い病院まで搬送いたします。
ハイリスクな妊娠は専門医による治療とケアが必要です
妊娠高血圧症と妊娠高血圧腎症のリスクを過小評価してはいけません。これらはハイリスクな妊娠なので、妊娠期間、出産、出産後を通して、経験豊かな専門医チームにより、母親と赤ちゃんの両方を、注意深く慎重に観察する必要があります。
バムルンラード病院の専門医および婦人科チームは、ハイリスクな妊娠に対する豊富な経験を持ち、そのために十分な準備を整えています。バムルンラード病院の専門医チームは、妊娠高血圧症や妊娠高血圧腎症を発症した母親と赤ちゃん、両方の健康をケアするために、万全の態勢を整えています。
バムルンラードインターナショナル病院では、アンポーン・タイソンブーン医師(タイ産科婦人科学会認定免状取得および母体胎児医学準学位取得)が婦人科の診療を行っています。
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Last modify: 11月 30, 2024