前立腺がんは男性に最も多い病気です。前立腺がんの早期発見のためにも、特に疾患発生の可能性を高める要素のある方は、40歳以上の男性は、毎年、年に一回の健康診断を受けることが非常に重要です。
前立腺がんの危険因子とは?
- 年齢 年齢が上がるほど危険因子も高くなります。多くの場合、50歳以上に多く発生します。
- 民族 民族的な観点からいえば、コーカソイド、ネグロイドに最も多い傾向にあります。
- 遺伝 前立腺がんの15-20%は遺伝性です。前立腺がんの病歴を持つ家族がいる場合はリスクが高くなります。
- 食事 トランス脂肪酸、何度も使用する揚げ油、赤身のお肉などリスクを高めます。
前立腺がんを見逃さないためには?
患者さんが泌尿器科を受診するきっかけは様々ですが、以下のような理由から受診され、疾患の発見と至るケースが多くあります。
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無症状だが、健康診断で腫瘍(前立腺がん)マーカー(PSA)の数値が通常より高い
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尿失禁などの排尿障害、排尿困難、頻尿、血尿
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ほかの臓器への圧迫とそれに伴う症状(ただしがんが転移している場合は、その臓器により異なる)
検査方法はどのようなものがあるか?
- 直腸診(DRE)
- 腫瘍マーカー血液検査(PSA)
- MRI
- TRUS経直腸超音波
- MRI及びエコーを併用した生検(従来の検査より正確)
治療方法は?
前立腺がんの主な治療方法は以下の4つです。
- 注意深く経過観察を続けることも一つの治療法で、無症状または症状のあるがんを経過観察していきます。この治療の目的は、症状が現れるまで不必要な治療を避けることです。 がんが生涯を通じて患者さんの生活に影響を及ぼさない場合や、80歳以上の方や早期がんの方など、ご高齢の方に適しています。
- すぐには治療を開始しない治療法である監視療法は、時間の経過とともに計画を変更しながら、がんを綿密に監視していき、その目的は、不必要な治療を避けることです。ゆっくりと成長し、他の臓器に転移していない早期がんの患者さんに適しています。
- 手術には 3 つの方法があります (根治的前立腺切除術)
- 前立腺全摘除術は、がん性腫瘍を切除するために、約 20-25の大きさに腹部を垂直に開腹します。
- 腹腔鏡下前立腺全摘除術は、腹部に約 5-10 mm の穴を開け、そこから腹腔鏡を挿入して手術を行います。
- ロボット支援手術 (ロボット支援ダ・ヴィンチ手術) は、腹部に5ミリから1センチほどの穴を開け、ロボット アームを挿入し手術を行う術式で、正確で効果的、そして他の方法よりもより早く尿失禁と勃起の回復を早めることができることが特徴です。
- 放射線療法は、前立腺の外に転移していない前立腺がん(限局性前立腺がん)、または前立腺の外に骨盤リンパ節まで転移している前立腺がんによく使用されます。
バムルンラード病院の泌尿器科センターでは、あらゆる段階の前立腺がん治療のための設備が整っています。患者さん、お一人お一人に合わせた適切な治療を行うことで、最大限の治療効果が得られるよう心がけております。
執筆
Dr. Teerapon Amornvesukit
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Last modify: 11月 30, 2024