腸上皮化生（GIM）は、胃の正常な粘膜が腸の粘膜に似た細胞変換により起こります。この病態は胃がん発症の可能性を示す初期徴候ですが、GIMに罹患した全ての人ががんを発症するわけではありません。今回は、GIMの性質、分類、原因、診断、対策など、GIMについて知っておくべきことをすべて説明します。
 

GIMとは？

GIMは、胃の粘膜が、腸の粘膜と同様の細胞に変換することです。この病態は、影響を受ける胃の範囲と関与する特定の細胞によってタイプが異なります。
 

どのような人にリスクがあるか？

GIMを発症する可能性は、患者さんの生活する地域、年齢、喫煙習慣、胃のピロリ菌感染の有無など、いくつかの要因によって異なります。これらの因子は総体的に、時間の経過とともに胃がんに進展するリスクになります。
 

GIMの症状

GIMは通常、はっきりした症状を示しません。しかし、間接的な症状として腹部の膨満感、腹痛、下痢を経験する場合もあります。
 

危険因子

GIMは胃がんのリスクを高めることが分かています。特に、広範なGIMや、胃がんの家族歴があると、このリスクはかなり高くなります。
 

GIMの診断

GIMは、医師がカメラを使って胃の内部を観察する上部内視鏡検査（胃カメラ）で発見されることが最も一般的です。この際、顕微鏡検査でGIMの存在を確認するために生検が行われることもあります。
 

GIMの管理

胃がんのリスクを減らすには、禁煙、飲酒は適度に楽しむ、ピロリ菌感染への対処など、いくつかの事前対策が必要です。症状の進行を追跡するために、経過観察内視鏡検査による定期的なモニタリングも推奨されます。
 

まとめ

GIMは胃がんにつながる可能性のある胃粘膜の変化を意味します。すぐに症状が現れないことも多いですが、早期診断と早期管理はがんのリスクを下げる上で極めて重要です。その原因に対する認識と定期的な検診の継続が、早期発見と健康状態の改善の鍵となるのです。


執筆： Tossapol Kerdsirichairat, MD
Clinical Associate Professor of Medicine
Advanced/Bariatric Endoscopy, Digestive Disease Center
Bumrungrad International Hospital