「患者さんのお役に立ちたい、患者さんの回復を助けたい。」と、強く思っていました。循環器内科医として、また5年前から経営陣として、バムルンラード病院では「患者さんを第一に考える」姿勢を皆が共有しています。バムルンラード病院の使命は、人々のケアをすることです。それが私たちの使命であり、タイ語でバムルンラードを意味するものです患者さんの生活の質を向上させる、あるいは治療結果を改善するために、あらゆるサービスを継続的に発展させることを優先しています。バムルンラード病院で働くようになってから、最も重要であると考える価値観であり、日々、従業員が考え、行動するうえでの指標として定めるこのコアバリューに変化や逸脱を感じたことは一度もありません。
このコアバリューを実践している一つの科が、Dr. Achirawinが経営陣として率いるバムルンラード病院循環器科センターです。心臓病は、高齢化や糖尿病、高血圧の増加により、世界で最も多い死因となっており、今後もそうなる可能性があります。心臓は拳ほどの大きさにもかかわらず、最も重要な臓器であり、循環器内科だけでは管理できませんし、管理すべきではありません。そのため、当院の循環器科センターは、循環器内科だけでなく、心臓外科医、内科医、遺伝学、心臓リハビリテーションの専門家、そして循環器内科のその他のスペシャリストなど、各分野で第一人者として活躍する専門科の集団です。私たちの目標は、患者さんとそのご家族に最高品質の医療を提供することです。
バムルンラード病院循環器科センターには、さまざまな専門分野の医師が集まっているそうですが、その中で、どのようにチームワークを発揮しているのか。
患者さんの主治医が誰なのか、誰が担当しているのかは重要ではありません。バムルンラード病院は、患者さんの今までの病歴、治療歴、そして今後の人生を見守っていく必要があると考えています。複雑な症例には、チームで症例を評価し、その他の専門家の間でも協力し合います。回り道かも知れませんが、チーム作りの一環であり、それこそが近道だと考えています。チーム全員が自分の専門分野でベストを尽くし、患者さんの利益を最優先しています。それこそが、私がこのバムルンラード病院循環器科センターを担当して以来、ずっと目指してきたビジョンです。
バムルンラード病院は、最先端医療技術と、専門家による診療の2つをどのように使い分けているのか。
バムルンラード病院は、最先端の医療技術に投資し、それを活用するパイオニア的存在です。心臓病のスクリーニングのために、私たちは画像診断に必要なすべての設備を常に備えています。負荷心電図や負荷心エコー検査などの基本的な検査だけでなく、CTスキャン、心臓MRI、心臓核医学検査といった高度な画像診断も行っています。これらがすべて揃うことで、より良い診断ができるようになります。治療に関しては、当センターには世界でも最先端の心腔内電位を測定・マッピングし、不整脈の診断を強力にバックアップする電気生理学的検査用システムの電気生理学マッピングシステムや、冠動脈造影の最新技術も備えています。また、心不全を専門とするタイでも第一人者の臨床医と他分野の医師がおり、タイで唯一、心臓移植ができる私立病院でもあります。また、タイで唯一、遺伝性疾患を専門とする循環器専門医がいるセンターでもあります。これらはほんの一例です。
バムルンラード病院循環器科センターの最近の成功事例。
昨年、当院で心臓移植を成功させた症例で印象に残っているのが、15歳という若さで、心臓が非常に弱っていた患者さんでした。移植が成功した後、自らが移植を実現させたチームにいただことだけでなく、命のはざまで生死をさまよっていた少女が、自宅で家族と誕生日を祝い、それからの人生を新たに生きられるようになったことに感銘し、共に涙したことです。これこそが、バムルンラード病院とその従業員がいつも大切にしていることです。
統計的に、アジア人は他よりも心臓病にかかりやすいと言われているが、人種ごとに特定の遺伝子検査を実施しているか?また、読者に何か具体的なアドバイスがあるか?
人種の違いという点では、確かにアジア人に心血管疾患が多いことがわかっています。男性は40歳以上、女性は45歳以上で、定期的に検診を受けることをお勧めします。特にアジア人に遺伝的な感受性があるわけではありませんが、心筋梗塞、不整脈、心因による死亡など、心臓病の家系が強く、それでも説明がつかない場合は、循環器専門医、あるいは心臓遺伝専門医に相談して、できる限り原因を調べて特定することをおすすめしています。第二に、健康は自分自身から始まります。糖分が高い食べ物、喫煙、過度の飲酒を避け、高血圧に注意するなど、心臓病に発展する危険因子を回避する必要があります。特にある程度の年齢となりましたら、定期的に健康診断を受ける必要があります。そして、定期的に運動をしましょう。バムルンラード病院が患者さんのことを最優先しているように、患者さん自身も自らのことを最優先して、自分の健康を第一に考えてくだされば幸いです。少し前までの世代は、家族や仕事、成功を優先する傾向にありましたが、自分自身の健康管理をよく考えることも重要だと思います。
この記事は、Masala Magazineによるインタビュー記事を翻訳したものです。
お問い合わせ先
- 心臓疾患センター
Tel. +66 (0) 2011 3491
Tel. +66 (0) 2011 3411
Last modify: 9月 11, 2023