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乳がん:診断について

医療チームが患者さまと共に最善の治療を進めて行くために、患者さまにご自分の診断内容をよく理解していただくことは何よりも大切です。乳がんと診断され、多くの方が不安を抱え混乱していらっしゃると思います。しかし、治療における重要な決断を下すには、まず乳がんに関する正確な情報を得ることが、気持ちや感情にとっても非常に大切です。
 


乳がんの種類

乳がんにはさまざまな種類があり、それぞれのがんの性質はとても複雑です。乳腺(小葉)や乳管で発生したがんが、発生場所にとどまり他の乳房組織に転移していないものを非浸潤がんと言います。一方、他の組織に移転したものは、浸潤性がんと言います。乳がんのうち、最も多くの割合を占めているのが浸潤性乳管がんで、2番目に多いのは浸潤性小葉がんです。

トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体の約15%を占めていて、それほど一般的ながんではありません。名前の由来は、ホルモン受容体検査がネガティブ(陰性)であることを意味し、エストロゲン、プロゲステロンおよびHER2というタンパク質が、がん細胞を増殖することはありません。また、そのほとんどは、遺伝子の変異が原因で起こることが知られています。乳がんの治療法や予後の治療方針を決めるために、診断時の検査でホルモン受容体の有無を判明させることはとても大切です。

乳がんには、稀に見られるタイプのものが他にたくさんあります。炎症性乳がんは、急速に進行するがんで皮膚が赤くなり痛みを感じます。パジェット病は、乳首の周りの皮膚に湿疹のような症状が見られます。

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グレード(悪性度)とステージ(病期・進行度)

浸潤性乳がんのグレード(悪性度)とは、がん細胞の増殖状況と発生箇所からの転移状況を意味します。乳がんのステージ(病期・進行度)は、次の3つの要因を基準にして決められます。

T (腫瘍)= 主に腫瘍の大きさ
T1 は 2 cm 以下の大きさ、T2 は 2 cm から 5 cm、T3 は 5 cm 以上、T4は胸壁や皮膚に浸潤していることを意味します。
N(リンパ節) = 周囲のリンパ節への転移状況
リンパ節のステージ N0 はリンパ節転移がないことを、N1は 1~3 個のリンパ節に、N2は 4~9個のリンパ節に、N3 は 10個以上のリンパ節にがん細胞が存在していることを意味します。
M(転移) = 身体の他の臓器への転移の有無
M0 または M1

の評価は、放射性核種画像診断や放射性核種スキャンを行なって(必要に応じて、X線などの補助画像診断を使用)、転移がないか全身を検査して行います。

 
ステージ I T1, N0, M0
ステージ II T2, N0, M0 or T0-T1, N1, M0
ステージ IIB T3, N0, M0 or T2, N1, M0


局所進行乳がんの病期は、次のとおりです。

 
ステージ IIIA    T3, N1, M0 or T0-T3, N2, M0
ステージ IIIB T4 any N, M0 or Any T, N3, M0


遠隔転移性または遠隔進行性乳がんの病期は、次のとおりです。
 
ステージ IV    any T, any N, M1
 

治療

バムルンラード国際病院では、ブレストケアクリニックとホライズンがん治療センターの専門医たちが緊密に連携して、患者さまや乳がんのタイプ、その他の状況に合わせた、個別的な治療プログラムを提供しています。また、治療を行う場合には、腫瘍の悪性度や進行度、その位置や性質に加えて、患者さまの健康状態や年齢も十分に考慮に入れて、治療方針を検討しています。

手術以外にも治療法の選択肢は各種ありますが、遺伝性乳がんの患者さまには、一般的に手術による治療を推奨する場合が多くあります。エストロゲンやプロゲステロン受容体ががんの増殖に影響している場合は、ホルモン療法による効果が期待できます。ホルモン療法の適応は、患者さまの閉経の状況も考慮して判断されます。他には、化学療法や放射線療法といった治療法もあります。化学療法は手術とセットで行われることが多く、全身にはたらく治療で、一方、放射線療法はがん細胞をターゲットにして行われる局所治療です。

がんの再発を予防するために、乳がんの治療中または治療後に、標的性の抗がん剤を骨強化薬と一緒に投与することもあります。また、すべての乳がん治療プログラムは、常に患者さまの希望に沿って、患者さまの生活の質を保てるように行われます。
 

再発、原発性二次がんおよび二次がん

乳がんと診断された、まだ転移していない最初のがんを原発性がんと言い、以前と同じがんが再び発症することを再発と言います。再発には、がんが元と同じ場所またはその近くの場所で再発する局所再発と、リンパ節または近くの組織に転移する領域/局所進行再発などがあります。

原発性二次がんとは、再発とは異なり、以前のがんとはまったく別のタイプの新しい腫瘍が現れることを言います。二次がんとは、がん細胞が体の他の部分に転移したものです。


病気と向き合う

患者さまご自身やご家族の方々が、乳がんを持ちながら生きるとはどのようなことなのかを、はっきりとイメージするためには、どのような治療法があるのか、その治療法にはどんな意味や目的があるのかを、よく理解しておくことが大切です。また、安心して乳がんの治療に取り組むためには、適切なサポート体制、医師との緊密なコミュニケーション、治療期間と副作用に対する十分な理解、それに加えて、ご友人やご家族の方たちによる支援ネットワークが必要です。バムルンラード国際病院は、患者さまのひとりひとりが抱えている諸問題を十分に理解し、治療中に起こり得るあらゆるニーズに対処するための総合的なサポート体制を提供しています。当院のさまざまな分野にわたる専門性の高いチーム医療により、患者さまを多面的にサポートいたします。


 
お問い合わせ先
  • ホライズンがん治療センター
    Tel. +66 (0) 2011 2222

    Clinical Nurse Coordinator – Cancer (看護師コーディネーター、がん ):Tel. +66 (0) 2011 5999

    Clinical Nurse Coordinator – Bone Marrow Transplant (看護師コーディネーター、骨髄移植 ): Tel. +66 (0) 2011 2881

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