ビタミンDは足りていますか?
ビタミンD不足・欠乏は一般的に多くみられます。ビタミンDはカルシウムの吸収やその他の重要な働きをするため、これが不足したり、あるいは欠乏症を起こすと、重要な問題を引き起こすことがあります。ビタミンDが不足すると、骨が弱くなったり、柔らかくなったりして、骨折しやすくなったり、筋肉が弱くなり、転倒しやすくなったりします。
ビタミンDが少ないかどうかは、25-ヒドロキシビタミンD(25OH-D)と呼ばれる血液検査で診断することができます。ビタミンD欠乏症の正式な定義はありませんが、一部では、成人の場合、下記
ビタミンDが足りているか? |
ビタミンD濃度 (ng/mL) |
正常 |
30以上 |
ビタミンD不足 |
20 - 30 |
ビタミンD欠乏症 |
20以下 |
年1回の健康診断でビタミンD濃度を確認することができます。
ビタミンD欠乏症の原因とは?
- 食物からのビタミンD摂取不足。特にベジタリアンや魚を食べない方は、ビタミンD摂取不足になる傾向があります。
- 日焼け止めや紫外線を遮る服の継続的な使用による効果的な日光への露出の制限
- 炎症性腸疾患やセリアック病などの吸収不良
- 気管支拡張剤、抗けいれん剤、抗結核剤など、ビタミンDの代謝を促進する薬剤を服用している。
ビタミンDの役割とは?
ビタミンDは油溶性ビタミンの一種で、体内で重要な役割を果たしています。
- 食事で摂ったカルシウムやリンの腸からの吸収を助け、血液中のカルシウムとリン酸の濃度を正常に保つ。
- また、副甲状腺ホルモン(骨吸収を促進するホルモン)の分泌を抑制。
ビタミンDが不足すると、血中カルシウムの低下、血中リンの低下、くる病(小児期に骨が軟化する)、骨軟化症(成人期に骨が軟化する)などの重大な合併症が起こることがあります。
ビタミンDの不足・欠乏を防ぐには?
ビタミンDは、太陽光により皮膚で作られます。十分な量のビタミンDを合成するために必要な日光の量は、年齢、肌の色、日光への露出、基礎疾患の有無などによって異なります。
ビタミンDの不足や欠乏を予防する方法はたくさんあります。
- 少なくとも15分以上の屋外活動を週2-4回。日光は体内のコレステロールをビタミンDに変化させます。
- ビタミンDを多く含む食品を摂取する
- 脂質の多い魚(イワシ、マス、マグロ、サケ、サバなど)
- タラ肝油
- 卵黄
- 牛乳
- ビタミンDを添加した強化食品(マーガリン、一部のシリアル、乳児用粉ミルクなど)
ビタミンD欠乏症の治療法とは?
ビタミンD欠乏症やビタミンD不足の治療には、多くの種類のビタミンD製剤があります。一般的に利用できるビタミンD製剤は、以下の2種類です。
- エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)
- コレカルシフェロール(ビタミンD3)
ビタミンDの推奨摂取量は、ビタミンD欠乏症の性質と重症度によって異なります。
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参考文献:
- La-or C, Wichai A, Boonsong O. Regional variation and determinants of vitamin D status in sunshine-abundant Thailand. BMC Public Health 2011; 11:853
- UpToDate. Patient Education: Vitamin D Deficiency (Beyond and Basics). Available from: https://www.uptodate.com/contents/vitamin-d-deficiency-beyond-the-basics [Accessed 26 February 2019]
- Uwe G, Klaus K. Influence of drugs on vitamin D and calcium metabolism. Dermatoendocrinology 2012; 4(2): 158-166.
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Last modify: 9月 18, 2024