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TUR-P 経尿道的前立腺切除術

TUR-P は、前立腺またはその一部を摘出する手術で、前立腺肥大症(BPH)や良性(非がん性)の前立腺腫瘍の治療に最もよく用いられる方法です。

手術方法

TUR-Pの手術時間は90分以内で、全身麻酔または局所麻酔で行います。手術では、レゼクトスコープと呼ばれる細い管状の切除鏡をペニスから尿道を経て前立腺まで通し、レゼクトスコープの先端にあるループ状の電気メスを使って閉塞原因となっている前立腺組織を切除するとともに止血を行います。切除部位は洗い流して全ての組織を取り除きます。手術後は3日間の入院が必要で、通常、尿や手術の残屑を排出するためカテーテルを装着します。

TUR-Pは、排尿困難、尿道からの出血(血尿)、尿の逆流による腎障害、頻繁な尿路感染症、膀胱結石等、前立腺肥大症を原因とする合併症のある方に適しています。

呼吸器官や心臓の機能不全等、麻酔に伴う合併症のリスクがあります。その他の合併症は以下のとおりです:

  • 輸血を必要とする出血
  • 感染症(抗生物質の服用やときには入院が必要となる場合があります)
  • 手術中あるいは直後の体液・電解質バランスの異常(軽度な場合、治療は不要ですが、重度の場合には昏睡に至る可能性もあります)
  • 尿流の制御不全(失禁)、尿道狭窄(尿道口の狭まり)
  • 勃起障害(勃起不全)
  • 男性不妊症
  • 精液が尿道から放出されず、膀胱側へ射精される逆流性射精(ドライオーガズム)

手術前および手術後に医師の指示に従っていただくことで、排尿障害を引き起こす膀胱頸部の長期にわたる硬化や狭窄等のリスクは軽減されます。

医師よりTUR-P以外の治療法を提案する場合があります。尿流の改善や前立腺の縮小に有効な薬剤もあり、ステントと呼ばれる短い管を尿道に挿入して尿流を改善することもできます。ノコギリヤシは、前立腺肥大症に有効といわれている薬用植物のひとつです。また、レーザーの代わりにマイクロ波、超音波、電流を使った熱療法で余分な前立腺組織を破壊する方法もあります。症状が軽い場合は、治療を受けない方もおり、時間の経過とともに自然に緩和していく場合もあります。

TUR-Pに最も適している のは、前立腺肥大を原因とする中度から重度の症状があり、薬物療法で効果が見られなかった方です。事前検査の後、患者様と相談の上、医師が適応性の最終判断を行います。

Last modify: 8月 08, 2019

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