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消化器のエキスパートDr. Tossapol

3月 10, 2022

 

"職業を聞かれたら、配管工だと答えます!"


Clinical Assoc.Prof. Dr. Tossapol Kerdsirichairat医師は、専門を尋ねると笑いながらそう答えました。消化器専門医、高度内視鏡医、肥満症治療専門内視鏡医であるトッサポン医師は、タイのシリラート病院をはじめ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ミネソタ大学、ミシガン大学、さらにはジョンズ・ホプキンス大学などで、国内外での豊富な経験を積んできました。「この分野に興味を持ったのは、タイでは寄生虫の蔓延によって胆管がんが多発しているからです。」と説明します。「タイ東北部では、タイ人男性の胆管がん発生率は、米国の一般人の100倍にも。ある日、米国から来た外科医が、開腹手術なしですべて口から治療できることを唱え、高度内視鏡の世界に興味を持ちました。最先端技術と最新の医学研究によって、患者の生活をより良くすることに情熱を注ぐトッサポン医師は、バムルンラードインターナショナル病院が提供する治療の可能性と、その過程でチームが一丸となって治療を提供してきた患者について語ります。
例えば、中程度の肥満であれば、胃ろうを造らずに、口からスコープを入れて胃を小さくすることができます。以前は、消化管を治療する場合、切開しなければなりませんでしたが、今では、超音波を搭載したスコープによる無切開治療が標準治療です。リアルタイムの超音波診断で、血管や胆管、重要な臓器を避けることができます。バムルンラード病院消化器科センターは、東南アジアはもちろん、タイでも初めての低侵襲手術を提供する消化器科センターで、特に膵臓、消化管がん、体重管理などの分野で、様々な専門家によるチームでの多角的なアプローチによる手術を提供しています。

 

胃腸や肝臓の病気にはどのようなものがあるのでしょうか?気をつけるべき症状や、予防方法とは?


消化器科という専門であることから、消化器系のがんが多く、最も多いのは大腸がんです。その他、胃がん、膵臓がんなどにも注意が必要です。いずれも、直腸出血などの症状が出たら手遅れです。早めに検診を受けるようにしましょう。例えば、世界最高の内視鏡医によると、胃がん検診は40歳以上を推奨しています。膵臓で最も多い病気は膵嚢胞で、少し厚みを持っている(ムチン質)場合は前癌状態なので、注意が必要です。また、膵臓に炎症が起こる膵炎もよくある病気です。膵炎の大部分は良性ですが、15%で臓器不全に陥り、ICUでしっかりと注意して観察することが必要な場合もあります。このような場合においても、バムルンラード病院は、切らずに治療できる世界でも20カ所しかないセンターのうちの一つです。一般的に、直腸出血がある場合、あるいは家族に結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、子宮癌、あるいは脳腫瘍の患者がいる場合、消化管に関連している可能性があるので、これも注意が必要です。その他の症状としては、理由なく体重が減少する、糖尿病予備軍である、理由もなく長期間にわたって便がゆるい、アンモニア性脂肪肝と診断される、などがあります。脂肪肝の場合、肝酵素が正常かどうか医師に診てもらう必要があります。消化酵素が正常な場合は、運動や食事制限をしてきちんとダイエットをすることが重要です。
逆に消化酵素に異常がある場合は、より積極的な減量プログラムや薬が必要かどうかなど、主治医に相談してみてください。多くの場合は、肥満と関係しているので、体調を整え、タバコを吸わず、お酒も控えめにしましょう。私は、患者がセカンドオピニオンを求めることにいつでもポジティブで、確かな治療には必要な要素であるとも考えています。

 

複雑な膵炎の管理、ハイリスク者の膵臓スクリーニング、膵嚢胞の経過観察のためにバムルンラード病院が持つ最先端の技術についてお聞かせください。これらの技術は、診断、予防、治療にどのように役立つのでしょうか。


大腸がんと診断された場合、がん病巣が大きいと、患者はしばしば手術に回されることになります。今は、「全層切除装置」という装置があり、ポリープや病変を簡単に剥がせない場合、壁全体を丁寧に、一括して切除することができるようになったのです。この装置は、タイで最初のセンターとして、先月ここバムルンラードで発表されたばかりです。膵臓がんは、遺伝子が危険因子であるかどうかをスクリーニングすることができますし、以前は不可能だった、胃の裏側にある膵臓を見ることができる超音波内視鏡を使用することができます。当院では、ジョン・ホプキンス・プロトコルを採用しており、このプロトコルは数年間で死亡率を3倍改善することが証明されています。膵嚢胞サーベイランスプログラムでは、膵嚢胞が良性であることを確認するために、膵嚢胞を観察しています。このガイドラインは米国消化器病学会のもので、私はこの論文の筆頭著者と上席著者のもとで研修を受ける機会に恵まれました。MRIが重要なので、優秀な放射線科医が必要ですが、当院には多くの放射線科医がおり、チームは優秀です。膵炎の場合、肛門と胃部から小さなカテーテルを入れて、時間をかけてゆっくりと膿を排出する方法がありますが、これはオランダのグループによって考案された技術で、切開するよりもずっと効果的であることが証明されています。ある患者は、50パーセントの確率で死亡する可能性があると言われていましたが、私たちの治療を受けて退院していきました。

 

その他の体験談やサクセスストーリーについて教えてください。


米国で12年間、脂肪性肝疾患と診断されていた方を診断しました。気になったのが、経験豊富な当院の病理医が、肝臓に鉄が沈着していると言ったことです。ここでは、質の高い組織を採取する技術が鍵になります。私たちは、内視鏡的超音波ガイド下肝生検のプロトコルを使用しています。もちろん、無切開です。自動的に遺伝子変異を疑いましたが、本当にその通り、患者の遺伝子を調べるとその変異があったのです。まだ34歳でしたが、もし発見が遅れていたら、60歳までに末期の肝臓病になっていたかもしれませんし、鉄の沈着が心臓にまで達して、心臓移植をしなければならなかったかもしれません。その場合治療費が1000万バーツ以上になると思います。

また、長い間腹痛とひどい便秘に悩まされてきた60代会社役員の話ですが、8ヶ月間、様々な病院を訪れましたが、どの病院でも単なる便秘と診断されたそうです。最後に、当院のチームを訪れ、「どんな検査でもするつもりだから、7日間以内に病気を見つけてほしい・・・」という試練(チャンス)を与えてくれました。そして4日目に結局肝臓に病変を持つアミロイドーシスであることがわかりました。この難病は死ぬまで診断がつかないことが多いのです。ちょうど2020年半ばに発表された、生存率が2倍になることが証明された治療法があり、当院の内科医はその治療法を熟知しており、タイでその薬を入手することが可能なことから治療を開始しました。
 
 
 
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