注射方法は、通常、痛みの原因となっている部位の場所と関係する組織構造によって決定します。痛みの主な原因は、神経根痛、関節痛、筋肉痛等で、複数の原因がある場合もあります。
最も一般的な脊椎インターベンションとして以下のものが挙げられます:
1. 硬膜外ステロイド注射(ESI)
ESIは、脊髄神経の炎症による痛みの治療に用いられ、以下のように、痛みの症状が出てからの期間によって成功率が異なります。
- 3ヶ月未満:90%
- およそ6ヶ月未満:70%
- 1年:50%
効果は一時的で、数週間から数年間持続します。注射後、効果が現れるまでに3~10日程かかります。
最大限の効果を得るために、通常、1~2回の注射が必要となるとともに、理学療法や自宅でのエクササイズとの併用が有用です。
2. 椎間関節注射
椎間関節注射は、椎間関節(脊椎で2つの椎骨がつながっている箇所)の炎症による首の痛みや腰痛の診断と緩和に用いられます。効果は一時的で、数週間から数年間持続します。約50%の方にある程度の痛みの緩和が見られています。
注射による効果があったものの、痛みが再発した場合、1年間で3回まで再度注射を受けることができます。1回目の注射で痛みが軽減されなかった場合は、それ以上注射をしても効果がありません。
3. 内側枝神経ブロック注射
内側枝神経ブロック注射も、脊椎の椎間関節を原因とする痛みの治療と診断に用いられます。椎間関節の感覚をコントロールする内側枝神経という細かい神経に局所麻酔を注射します。通常、10~20分で効果が現れます。70%以上痛みが軽減された場合は、2回目以降の注射を行う場合があります。
内側枝神経ブロック注射で症状が緩和された後に痛みが再発した場合は、高周波熱凝固法の方が効果的な治療法である可能性があります。
4. 高周波熱凝固法
高周波熱凝固法では、熱から発せられる電波で内側枝神経を破壊し、椎間関節を原因として脳へ送られる痛みの信号を遮断します。通常は、内側枝神経ブロック注射で効果が見られた後に、この方法がとられます。
効果の継続期間は平均10ヶ月半で、成功率は約85%です。効果の程度は人によって様々で、最大の効果が現れるまで3週間程かかる場合もあります。
6ヶ月以上効果が持続する限り、同じ処置を繰り返します。
5. 仙腸関節(SI)ブロック注射
仙腸関節ブロック注射は、一般に腰痛の原因を特定する診断のために用いられ、局所麻酔とコルチゾンを併用して仙腸関節に麻酔をかけるものです。仙腸関節が原因となっている場合、一時的に痛みが軽減します。
構造的な痛みの原因が仙腸関節にあると確定すれば、有効な治療法を検討することができます。